カテゴリ:本( 16 )

『奇跡のリンゴ』

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奇跡のリンゴ』という本を図書館で借りて読んだ。
リンゴの無農薬無肥料での栽培に成功した
木村さんという青森のリンゴ農家の人の話だ。

最近、無農薬野菜という言葉を良く聞くが
リンゴに関しては不可能だと言われていたのだそう。
なぜなら、農薬散布を前提として品種改良が行われて来たから。
(リンゴの原種は渋くて生では食べられないらしい。)

木村さんがなんて無農薬に取り組もうとしたかというと
たまたま本屋さんで別の本を棚から取った時
横にあった本が一緒に落ちてしまった。
それが「自然農法」の本だったという
そんなエピソードもおもしろい。

凝り性の木村さんは、8年もの歳月をかけて
無農薬のリンゴ栽培を実現させた。
害虫がよその畑に飛来するという理由で
村八分になったり、いろいろ苦難はある。

でも、ただのサクセスストーリーじゃなく
食べるということや、農業のありかたとか、
色んなことを考えさせられた。
かなり素敵な本だった。

ところで、木村さんのリンゴはやはり、めちゃくちゃ美味しいらしい。
読んでたら、どうしても美味いリンゴが食べたくなって
近所のスーパーで一番高いリンゴを購入。
いま部屋中にいい香りが漂っている。
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by platform_life | 2009-09-03 22:53 |

ギャルのすすめる本

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前の職場に、みためギャルっぽいのに、読書に関しては妙に渋い趣味の子がいました。
愛読する作家に、井上ひさし、原田宗典、中島らも等々。
聞けば、もっぱら本はお父さんの本棚から調達してるらしい。
父さんチョイスか。それなら納得。

その子にすすめられて読んでみたのが「テロリストのパラソル」(藤原伊織)。
アル中の中年おやじが主人公で、全共闘時代(学生運動のころ)の話も
出てくるというやはり渋い設定。
「全共闘」って言葉は、なんだか古くさいというか
じぶんには縁遠い気がして、拒絶反応してました。
(ギャルには尚更と思われる)
いまや平和そのものに見える東大キャンパスなどで
机重ねてバリケードとか、立てこもりとかやってたなんて
ほんとに、想像ができないです。

ま、その設定は置いといても
伏線が繋がっていく感じ、気持ちよいです。
主人公の「男の美学」みたいのが、いいです。
相棒となって事件をさぐる、ヤーさんがまたすてきです。

娯楽小説として、普通に、というかかなり楽しめました。
ちなみに、主人公のキャラはちょっとだけ村上春樹の小説を彷彿させるものでした。
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by platform_life | 2008-11-28 02:02 |

HON/5月下旬

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井上靖『風林火山』
山本勘助にすっかりはまってしまった。
信玄と,側室の由布姫の人柄に惚れ込み
自分のすべてを捧げた勘助。
単なる功名心からではなく
2人を人間として心から愛していたようだ。
しかし,戦国の時代ってつくづく恐ろしい。
武将のツルの一声で,大勢の敵の中に
切り込んで行かなければいけないのだから・・・。

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村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』
小説家でありランナーである村上春樹のエッセイ。
書くこととランニングは車の両輪みたいに
彼にとって互いに必要不可欠な存在のようだ。
走ることで自分の限界を知って
更には走ることでその限界を
超えることができるということを知る。
小説にかぎらず持続力が必要な場面は多いから
肉体的にじぶんを限界に追いやるというのは
あらゆる仕事をする上で効果的かもしれない。
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by platform_life | 2008-05-31 10:26 |

HON

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『風と雲と砦』井上靖
国語の教科書のイメージが強かった井上靖。当時はつまらないと思いこんでたけ
ど,ひさびさに読んでみたら面白かった。この小説は,「長篠の戦い」(武田軍
VS徳川・織田軍)の頃の戦乱期に生きたふつうの兵士三人と,彼らをめぐる三人
の女性による出世や恋などの物語。時代が激変してゆくなかで運命に身を任せる
人,信念を貫く人,愛に生きる人など6者6様の生き方が興味深い。ひさびさに小
説をよむことの楽しさを心から感じた。

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『砂の女』安部公房
いまさらながら,初めての安部公房。シュールだった。切なさ,やりきれなさ,
恐ろしさ,孤独感,幸福感などなど色んな感情がうごめく世界。読んだ後,しば
らく考えこんでしまった。砂の家に閉じこめられてしまった男。私も男と一緒
に,そんな状況に追いやった村の人々を恨んだが,果たして男が正しいのか,村
の人々が正しいのか,読んでるうちに分からなくなった。

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『旅をする裸の眼』多和田葉子
新宿駅でこれから電車に乗るというときに,ささっと買った本。タイトルの
「旅」という言葉につられて買ったのだけど,難しかった・・・。難しくてまっ
たく読めない本と,難しいけど読んでしまう本とあるけど,これは後者で。主人
公のベトナム少女の純粋無垢さに惹かれたからか,綱渡り的なヨーロッパ旅行に
眼が離せないからか・・・。
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by platform_life | 2008-05-17 16:21 |

アメリカン・ギャングスター【小説】

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最近映画にもなった
『アメリカン・ギャングスター』
のノベライズ版。

映画は見てないけど
この本を読むと
ものすごく観たくなった。

70年代のNYで実際にあった話。
黒人の麻薬王フランクと
麻薬捜査官リッチーが
互いの信念に基づいて美しく対決する。

裏社会が舞台なのに
なんとも爽やかな物語展開は
かなり映画向き。

麻薬で商売するなんて絶対だめだが
フランクの知的で決断力のある様はすてきだ。
麻薬じゃないとこで
その力を生かせればよかったのだが
人種差別がはびこる社会で彼が成功するには
それが一番近道だったのかもしれない。

ハーレムの事や麻薬に汚染されていた当時のアメリカ社会など
この本を読むと諸々知る事ができ興味深い。

ーーーーーー
『アメリカン・ギャングスター』(ソフトバンク文庫)
スティーヴン・ザイリアン (著), 山下 慧 (翻訳)
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by platform_life | 2008-02-28 00:30 |

『太陽の塔』

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太陽の塔 森見登美彦(新潮文庫)

初めてこの人の本を読んだけと、
かなり楽しめたし,笑えました。
話しのリズム感と,語彙の豊富さが光ってます。

主人公は京大生だけど,大学には行かず
アパートにひきこもってるか,
失恋した女の子の幻を追いかけるか
という日々を送っています。
理想は高いが,日常はぐだぐだな,
愛すべきダメキャラなのです。

ヒマだからか,お金がないからか
京都の町をよく歩くのですが,
通りの名前や町の名前が頻繁に出てくるので,
京都の町並みがジオラマのごとく浮かんできで,
そのあたりも,楽しめます。

漱石や内田百けんの小説の主人公たちも
東京を縦横無尽に歩いていたのを
ふと思いだしました。
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by platform_life | 2008-01-29 17:56 |

本「ジョージア・オキーフ」「AMEBIC」

風邪をひいて三日間寝込んでいた。
そのあいだに,読みかけの本やら,
買ったままほったらかしになってる本やらを読んだ。

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『ジョージア・オキーフ—崇高なるアメリカ精神の肖像』
ローリー・ライル著,道下 匡子訳/パルコ出版

今年のGWに古本屋で買って以来,
その分厚さゆえ,放置されていた本。
ひと月まえから少しずつ読み進めてきて,一昨日読了。

アメリカ生まれの画家・オキーフの生涯を書いた本。
自然を愛するがゆえに,晩年に
ニューメキシコの砂漠地帯に家を買った。
畑を耕し,庭を手入れし,
作品のモチーフを求めて荒野を車でひた走る・・・
という生活。理想的な暮らしにもおもえるけど,
それは孤独との闘いでもあり・・。

何が何でもやりたいことをやり通し,
何が何でも欲しい物を手に入れる。
多少憎まれたとしても。
「鉄の意志」を持つ人だ。


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『AMEBIC』金原ひとみ/集英社

どこまでいくんだ,この人?!
っていうのが一番の感想。
「蛇にピアス」「アッシュベイビー」につづく,三作目は
以前の作にくらべて進化している。
どんどん鋭く,そしてより人間の細部に迫っている。

嘘つきな主人公の荒んだ生活に嫌気を感じつつ
ちょっとずつ,心にひっかかる言葉があるので
つい先を急いで読んでしまう。

退廃的な感じは,松尾スズキや
本谷有希子の書く小説を彷彿させる。
でも,文学的にこちらの方が断然面白い。

「蛇にピアス」で,金原作品を読むのをやめちゃった人,
それと松尾ファン,本谷ファンの皆様にもおすすめしたい。
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by platform_life | 2007-09-06 16:39 |

理科本。

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「黒体と量子猫1 ワンダフルな物理史(古典篇)」
ジェニファー・ウーレット 著/早川書房

さいきん、本を買うお金をけちって、会社の蔵書から借りて読んでる。で、最近読んだのはこれ。かわいらしい猫の表紙と,「文系の方も楽しく読める」というキャッチフレーズにつられて手にとってみた。

しかし,やはり相手は「物理」である。
中性子? 正の電荷・負の電荷? 熱力学の法則?・・・
読めば読むほど頭のなかはハテナマークでいっぱいに・・・。

難しい用語はすっ飛ばして読むとして,物理史に名を馳せた数々の偉人たちのエピソードは面白かった。発明王・エジソンは,自分の発明ビジネスを脅かす他人の新発明を徹底的につぶしていったらしい、とか。

逆に、エジソンにつぶされそうになったテスラという人(交流電力を発見した)は、お金にも名声にも無頓着で、自分の技術に対するライセンス料すら受け取らなかったので、貧困のさなかに死んでいったらしい。テスラはただ自分の技術が後世の人々の生活の役に立てれば。。とのみ望んでいたとか。なんて良き人なんでしょう。

ハーシェルという人は音楽家として名声をおさめていたにも関わらず、35歳で突然天文学者に転向。自費で作り上げた大きな望遠鏡で毎晩星を観察し、それを読み上げて妹が記録するというのを20年続け、空の地図を作り上げたという。超地道だ。。。絶対まね出来ぬ。

地位や名声のためじゃなく、好きだから突き詰めたって人が、
やっぱりかっこいいなあ。
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by platform_life | 2007-08-23 00:08 |

「脳は意外とおバカである」

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草思社
コーデリア・ファイン著

私って、なんてバカなんだろう!
と思うことはしょっちゅうだ。1日一回は思ってるかも。

この本では、人間の脳ミソはそもそも不完全で、
我々はそんな脳ミソに振り回されっぱなしなのだ、ということが書いてある。

著者含むその仲間の心理学者たちは、
市井の人々を相手にさまざまな実験をやっていて、
たとえば、エッチな広告を見せられたオヤジたちが
その直後に人事面接をやったとき、男性より女性を採用する確率は?とか。
ほかにも無意識のうちにどれだけ偏見を持って相手に接してるか等の実験があり、
その結果たるや散々で、人類の将来が悲惨なものに思えきた。

でも、著者も言ってるように、
我々の脳はうぬぼれやで意志薄弱で・・・っていうことを知るだけでも
何か行動するときに違ってくるんじゃないかなと思った。

(しかし、この本はどうも訳がよろしくないのか、どうなのか、まわりくどくて読むのに時間がかかってしまった・・・。)
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by platform_life | 2007-08-07 21:24 |

『フューチャリスト宣言』

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梅田 望夫,茂木 健一郎 著
ちくま新書

インターネットの誕生を「人間が言語を獲得して以来の,大変革」だと茂木さんは言っていて,梅田さんは「第二の地球の誕生」であるといっている。へぇ〜と思うと同時に,そんなにか?!という気持ちもありつつ読み進めた。
印象に残ったのは以下。

・インターネットは「偶有性の海」である
個人がサイトやブログで発信することで,思わぬ出会いがある。グーグルが見つけた「検索」という概念が,ネットにおける人と人の偶然の出会いを生み出した。

・「Wisdom of Crowds(群衆の叡智)」の時代
ウィキペディアが生まれたことに象徴されるように,全ての人々の知識がネットにより集約される。もはや大学の先生の知識のみがありがたがられる時代ではない。

・ネットを使えば多くの人に直接呼びかけることが出来る
たとえば1億人が3秒ずつの労働力を提供したら,全部で3億秒=83333時間で,それだけの時間と力を集められれば何か大きなことが出来るかもしれない。
(それって,たとえば,夏至にやってる電気を消してキャンドルですごそうっていうのと同じなんだろう)

・日本は談合社会である
(2人とも日本のそういう性質に辟易しているようだ。ある意味,ネットの対極にあるのが「談合」かもと思った。)

大学の存在自体も無意味になりつつあり,今後はネットですべて教育を行うのがいいという意見は,賛成とは思わなかった。梅田さんはウエブだけでどこまで生活が可能か,という実験を身をもって行っているらしい(一日中ネットとにらめっこ)。だけど私はウエブで出来ないことは山ほどあると思う。本はやっぱり本の形で読みたいし(ネット上でなく),人と人とのつながりは時間さいてわざわざ出向いていって生まれることも多かろうと思う。

にしても,なかなか刺激的な面白い本だった。
たまにはこうゆう本も読まなきゃな。
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by platform_life | 2007-07-10 15:19 |