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「ダーウィンの悪夢」

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映画「ダーウィンの悪夢」を観た。
なかなか面白かった。何より無知というのが一番怖い。
白身魚は好きなのでたぶん食べ続けるけど,こういう背景があるということは忘れないでいたいと思った。というわけで,ちょっとあらすじと感想を書き留めておきます。


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アフリカのビクトリア湖は,その生態系の豊富さから「ダーウィンの箱庭」とよばれていた。その湖にナイルパーチという肉食の魚が放流されたのは,今から半世紀前。他の生物を食い荒らしながらどんどん繁殖していったナイルパーチは冷凍保存のきく,美味しい白身魚としてヨーロッパや日本が大量に輸入を始めた。これにより,湖周辺の一部の人々は経済的に潤っていくことになるが,一方で売春,HIV,貧困などの問題は加速する・・・。
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「ナイルパーチ」を巡る人々の暮らしにカメラは向けられる。

ーー周辺の村から出稼ぎに来た漁師と,その子どもたち。
毎日大量の魚を引き揚げながらも,貧しい彼らはそれを口にすることが出来ず,餓死してしまう人もいる。また,数十人のボロを纏った子ども達が,1つの鍋を取りあいケンカをする姿を見て,どうしようもなく哀れに感じてしまった。そして哀れに思った自分に対しても嫌な気持ちになった・・。でも,貧困は間違いなく争いごとを起こすし,戦争を生みだす。

ーー昔戦争に行ったことがあり今は警備の仕事をする男。
「戦争が起こるのは歓迎だ。だって,お金になるんだから」

ーー魚の腐りかけた残骸を,干物にする人々。
輸出用の加工が済んだあとの,少しの肉が残った残骸が地面に山盛りに積まれている。既にウジ虫も湧いている。これを大量に干し,地元の人たちに売るという。

ーー輸送用航空機のパイロットや漁師を相手に売春をする女性たち。
ーーアフリカへ武器を輸送したことがあると告白するロシア人パイロットの苦悩。

グローバリゼーションって,ほんとにいいことなんだろうか?
先進国が搾取する構図がなければ,彼らは自然の恵を受けて豊かに暮らしてゆけるはずなのに。魚も自分たちのために捕れるはずなのに。
魚の代わりに武器なんて,残酷すぎる・・・。
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by platform_life | 2007-01-17 16:31

大竹伸朗とアラーキー

昨年末に観た2つの展示について・・・

★大竹伸朗「全景」(東京都現代美術館。2006年11月)
怒濤の点数(たしか2000点)に圧倒された。しかも,年代を追ってスタイルが自由かつ鮮やかに変化していってるので,複数の作家によるグループ展・・・?という錯覚を起こしてしまった。

作品群に多く見られるのは,既存のもの,とりわけ用が済んでうち捨てられたもの(チラシや包装紙などの紙類,閉店したパチンコ屋に飾られていたニセ自由の女神像や,果ては廃船まで)に手を加え,そのモノが持つ「味」を引き出しつつ大竹色を加えてゆくという方法だ。

来訪者を最初に出迎える大量のスクラップブックは,塗り重ねられた絵の具や紙片などで,それぞれがものすごい厚みになっている。手にとって1ページ1ページ見られないのがほんとに惜しい。展示のためでもなく,私的な匂いの強い「スクラップブック」というものをこんなに大量に,全力を込めて作る大竹伸朗に,純粋無垢な芸術家魂を感じる。

★荒木経惟「東京人生」(江戸東京博物館。2006年12月)
アラーキーが1960年代から撮り貯めてきた東京の街と人々の写真。
60〜70年代の東京の街は結構汚い。廃線になったと思われる線路沿いに,崩れそうなバラックが建ち並ぶ写真。線路にはゴミが転がっている。貧しさの一方で,子どもから年寄りまで沢山の人々が行き交う街には,活気があふれている。とくに「さっちん」という少年を追いかけたシリーズでは子どもの明るい顔がたくさん,たくさん・・・。でも,あの肉迫の仕方はアラーキーならでは,だ。
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by platform_life | 2007-01-12 15:51 | アート